映画『ジャングル・ブック』

 

近年のディズニー映画は、「アリス・イン・ワンダーランド」や「シンデレラ」など初期作品の実写化に力を注いでいる。本作は、1967年にアニメーションで製作されたディズニーオリジナルに敬意を払いながら、『アイアンマン』のジョン・ファブロー監督が、実写に最新映像技術をふんだんに盛り込み製作した意欲作だ。

 

 

 

ジャングルに取り残された人間の赤ん坊モーグリ(ニール・セディ)は、黒豹のバギーラに助けられ、母オオカミのラクシャのもとに預けられる。モーグリは、ラクシャから惜しみない愛情を受け幸せな毎日を過ごしていた。ある日、人間に対して激しい復讐心を抱くトラのシア・カーンがジャングルに戻ってくる。

 

宣伝文句にもなっている「少年以外全てCG」は見事としかいいようがない。ロサンゼルスのスタジオで、ジャングルも、動物も全てコンピュータで作り上げ、そのなかで少年が演技をした。風になびく葉っぱ、木々の間から差し込む木漏れ日、雨や水の表現、動物たちの重量感や豊かな表情は、CGとリアルの境界線をなくすことに成功した。しかもラドヤード・キプリングの原作通りに、すべてインドに生息している動物を忠実に、登場させているというリアルさ。ここが「ジュラシックパーク」とは違うところだ。

 

 しかも、近年の「マレフィセント」や「アナと雪の女王」では、これまでの「白馬にのった王子様が迎えに来る」というディズニー王道の主題を否定しているのも特徴的だ。本作も、異なるコミュニティでの生きずらさや、過去の因縁など、アニメーション版では触れられていなかったシビアなテーマも描き、より現実的な方向へとシフトしている。

 

 811日公開 

1時間46

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2016年8月12日金曜日

神戸新聞 夕刊「銀幕かわらばん」掲載

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