DEAR ダニー 君へのうた

Dear ダニー君へのうた」

 

成功者と呼ばれる人物が皆、幸せとは限らない。実際にあったたエピソードをもとに、ある老年ロックスターの第2の人生を通して「幸せな成功者」とは何かを描くヒューマンドラマである。

 

往年の大スター、ダニー・コリンズ(アル・パチーノ)は、かつての大ヒット曲を唄うツアーを続け、空しい毎日を送っている。ある日、マネージャーのフランク(クリストファー・プラマー)が、若い頃のダニーに宛てた“ジョン・レノンからの手紙”をみつける。そこには「音楽に忠実に。力になるよ」と書かれていた。ダニーは、人生を変えようと決心し、娘のような年齢のフィアンセと別れ、ツアーをキャンセルし30年ぶりに新曲を作ろうとする。そして会ったことのない息子に会う旅にでる。

ダニーは自分のことについてはいい加減だが、人のためなら、金とコネを使ってなんでもする。デリカシーはないが、それによって周囲の人は生きる希望を与えられる。その輪はマネージャーから孫、息子、宿泊しているホテルの女支配人にまで広がっていく。ミュージシャン役は初めてというパチーノが、ポップな曲を楽しい振り付けで歌い、大スターの豪放磊落な面を愉快に演じている。節目の場面で、レノンの歌が使われ、初めてダニーが手紙を読む時には『イマジン』が効果的に流れる。ダニーがレノンの手紙に影響されたように、周囲の人間にとって、ダニーはジョンと同じ役割を果たすようになる。他人に貢献する時のダニーの笑顔は最高に輝く。それこそが、人生の喜びなのだ。

926日公開

1時間47

 

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神戸新聞10月2日夕刊「銀幕かわらばん」掲載

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