「ジュラシック・ワールド」

日本でも公開され、ヒット中の「ジュラシック・ワールド」

神戸新聞に拙稿が掲載されました。

よければ、どうぞ。

 

『ジュラシック・ワールド』

 


 それにしても、パニック映画であるのに、なぜこんなにワクワクするのだろう。壮大な音楽、恐竜の闊歩する姿などの魅力に加え、「恐怖」を「冒険」として描くことからだろうか。


中南米のコスタリカ沖の島に新たに建設された恐竜テーマパーク「ジュラシック・ワールド」では、球体の乗り物でめぐる恐竜見学や、モササウルスの水中ショーなどで人気を博していた。22年前のシリーズ第1作で描かれた「ジュラシック・パーク」で大事故があったにも関わらず…。


さらなる人気を獲得したい責任者のクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、恐竜行動学のエキスパートのオーウェン(クリス・プラット)の警告も聞かず、遺伝子操作により、凶暴で高い知性を持つ恐竜インドミナス・レックスを生み出す。


シリーズの生みの親である製作総指揮のスティーブン・スピルバーグは、本作が長編2作目というコリン・トレボロウを監督に抜擢。彼は子供の頃に見た1作目に敬意を払いつつ、新種の恐竜が人間を騙したり、罠にはめたりするシーンを登場させ、恐怖を煽る。


未知の恐怖との出会いは「災難」ではなく「好奇心」として置き換えられ、登場人物はそれをすり抜けた後、「成長」を得る。子供はもちろん、キャリアアップしか頭になかったクレアも、ラストには人を愛することを知るのである。


しかし、そんな「冒険」の始まりが、「人間は何でも支配できる」という尊大さである、との警鐘も忘れていない。

 

85日から公開 2時間5

 

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神戸新聞2015年8月14日付け夕刊

「びびっとシネマ」掲載

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